香港の歴史。どうしてデモが起こるの?

香港の歴史。どうしてデモが起こるの?

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新年あけましておめでとうございます。販売事業部の崔です。


私は株式会社ものばんくの中国人スタッフで、普段は中国と日本を行き来しています。
今回の記事では、最近の香港で起こっているデモについて触れたいと思います。

2019年の香港は12月31日をもって、政治が動乱のまま幕が下りたように見えました。と同時に、新年早々に再び暴動が起こり、新たな幕が開いたようにも感じました。


香港は1840年のアヘン戦争敗北によって、「南京条約」という不平等条約で親元である清朝から引き裂かれ、当時列強であったイギリスの植民地になりました。それはまるで無理やり生母から離別させられ、無知な世界に放り出された養子のような状況でした。


この養子のような状況から、やっと1997年7月1日に生母である中国の元に戻る事ができましたが、その頃にはすでに教育環境やカルチャーが違っており、中々自分の親に馴染む事が出来ませんでした。


それからさらに16年の歳月が経つと、青春期にいる少年少女のように親に対しての反抗心を深く持ちはじめました。
それがまさに去年の6月の「逃亡犯条例改正案」をはじめ、「5大要求」まで延び続く政治デモとなって現れました。
しかし、この政治デモは平和な道からどんどん逸れており、公共施設の破壊や社会秩序の乱れ等々によって、香港自身に大きな火傷を負うような事態に発展しています。





ここで少し話は逸れますが、最近の書店には亡くなられた女優の樹木希林さんに関する書物がよく並べられています。そこには希林さんの生き方、つまり人生観、価値観が様々な角度から紹介されています。そのうちの一冊に、次のような言葉があります。

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『日本の日常用語って、ほとんどが仏教用語なんです。「ありがたい」っていうのも、漢字で書くと「有難い」、難が有る、と書くんだよね』



私はこの言葉にすごく感銘を受けました。希林さんは15年間がんと闘っていました。「難が有る」がんの存在に対し、闘う相手としてではなくパートナーといっても過言ではないくらいの向き合い方をすることで「固定概念や常識にとらわれず、人生を面白がり、どんな困難も自分の“栄養”とする」というありがたい気持ちで居られたのでしょう。
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話を戻し、歴史を遡ると香港にはこれまで数々の「難」がありました。そして、その度に香港人は幾度となく努力と知恵を合わせて乗り越えてきました。この度の政治デモもきっと力を合わせ、乗り越えるでしょう。香港の若者はちゃんと「難が有る」香港の存在を正視し、心の底からありがたい気持ちで、有難い香港であるように力を合わせて頑張っていってもらいたいと願っています!

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香港について、なぜデモがおこっているのか?弊社の中国人スタッフからの目線で解説します。

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