週明けの月曜日、3月9日。
3年4ヶ月ぶりに1ドル103円台を付けました。
そして日経平均が一時2万円割れ。
新型コロナウィルスによる世界経済が混乱しています。
先週より連載を開始している
「中古相場のメカニズムを再学習し、これからの相場に備える」
は今週金曜日(3月13日)までに第2話を配信予定です。
今日はこの「円高、株安」がどのように中古相場に影響するかを解説します。
(あくまで私見ですので、参考程度に)
ここからはわかりやすいように実際の相場を交えて解説していきます。
2020年2月19日時点のドル円相場は約「110円」でした。
まず今、中古相場に影響を及ぼすであろう要因として
①円高
が挙げられます。
1ドル「110円から103円」になった訳ですから
理論的には6%から7%の下落となります。
つまり2月19日時点では63万円だった落札相場が
58万円に下落すると言うことになります(理論値)
それだけなら誰しも予想できる下落です。
(ここで考えるべきは「いつの相場を参考にするか?」
によって利益に大きな影響を及ぼす局面であると言うことでしょうか)
残念ながら「中古相場を決める要因」は為替だけではありません。
②株式市場(日経平均、NYダウ平均など)の下落
なぜ株式市場が中古相場に影響を及ぼすか?と言うと
「好調な株式相場での利益、含み益が高級時計などの商品市場に流れている」
からです。
国内での高級品消費は株高によって支えられている側面があります。
そして
③インバウンド消費
もはや国内での中古品売り上げの「半分近く」は
インバウンド消費と言っても過言ではないでしょう。
外国人観光客が街から消えつつあります。
そして、最後に
④渡航制限
実はこれからこの④による影響が大きくなってきます。
日本のオークションで落札された高額品のほとんどは
海外へ輸出されます。
主に、
香港
中国
欧州
アメリカ
です。
このうち、香港、中国には既に渡航制限が出ています。
この先アメリカへの入国も微妙な情勢になってきています。
まとめると
①円高
②株式市場(日経平均、NYダウ平均など)の下落
③インバウンド消費
④渡航制限
上記4つの要因が絡み合って中古相場に影響を与えます。
そして、特筆すべきは5つ目の要因です。
①円高
②株式市場(日経平均、NYダウ平均など)の下落
③インバウンド消費
④渡航制限
⑤オークションバイヤーの心理状態
この5つ目の要因こそが「最も注意すべき影響要因」とも言えます。
先行きが不透明な情勢の中で
各バイヤーさん達がどのように考えるか?
a/為替分の下落だと買う
b/想定以上に安ければ買う
c/ここは買わないでおく
このような心理が予想できます。
恐らく「aと考えるバイヤーさん」は少ないでしょう。
「cと考えるバイヤーさん」が多いことは予想できます。
では「b」で言う「想定以上に安い」とはどれくらいなのか?
この答えは、実はありません。
その場の、そのオークションの時の「雰囲気」と言わざるを得ないでしょう。
先ほどのロレックス 。
理論的には「58万円」ですが
①から⑤の要因が重なっている現時点では
「50万なのか、45万なのかは予想が付きづらい」と言うことです。
これが「パニック相場」の恐ろしい点です。(リーマンショックの時は正にこれでした。)
現時点ではまだ「パニック相場」には至っていません。
今後①から⑤の要因が悪化していくスピード感を注視する必要があります。
現時点での私の予想(あくまで予想)を列記します。
・ロレックス やオメガなどの輸出向け高級時計に関しては為替下落とその他要因により2月相場の10%?15%の下落を想定?
・国内小売向け高級時計に関しては為替分の下落では?
・Bランク以下、10万円以下の時計に関してはあまり影響がないのでは?
・宝石は金プラの価格変動分くらいしか影響がないのでは?
・LVのAランクからSランク商材は1割程度の下落予想?
・Bランク以下のバッグに関しては為替分の下落か?
・エルメスなどの高級バッグは10%から20%程度の下落か?
・ルースやメレーダイヤモンドは為替分の下落か?
日々刻々と情勢が変わります。
これからもタイムリーに情報配信してまいります。
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