「今話題のフルサイズミラーレスカメラって何?」|いろどりカメラ 斉田悌征

「今話題のフルサイズミラーレスカメラって何?」|いろどりカメラ 斉田悌征

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今話題のフルサイズミラーレスカメラって何?


前回 「ミラーレス」や「フルサイズ」というカメラのことを知らない方には聞きなれない言葉が飛び出してきましたが、今回はその用語について説明していきます。
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フルサイズ

デジタルカメラはレンズで光を集め、光を電気信号に変え画像を作り記録しています。
これはスマートフォン、デジタルカメラ、ビデオカメラでも同じ仕組みです。
この光を電気信号に変える役割を「イメージセンサー」という部品が担っています。
イメージセンサーはレンズ、カメラ内画像処理ソフトとともに画作りの基幹部品です。
今回説明する「フルサイズ」とはこのイメージセンサーのサイズを指しています。
現在、カメラ業界で「フルサイズ」というと、一般のカメラよりも大きなイメージセンサーを搭載したカメラまたはセンサーその物を指しています。
そのサイズは、以前よく使われていた35ミリフィルムと同じ約36mmX24mmサイズです。そのフィルムサイズと同じため「フル」と言われます。一般に使われるセンサーサイズとの比較はこちらの図をご覧ください。

スマートフォンと比べると、大きさがよくわかります。

大きなセンサーでより多くの光を集められ、高画質を求めやすいため、高性能機、高画質機に採用されることが多いです。半面、レンズやカメラが大型化し価格も高くなります。
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ミラーレスカメラ

一眼レフの構造を見直し、デジタル処理で行うようにしたものがミラーレスカメラと言えます。ミラーがあるから一眼「レフ」でしたが、ミラーをなくした構造のため「ミラーレスカメラ」と呼ばれています。
ミラーレス化によりカメラの小型軽量化、レンズ性能の向上、ファインダーの機能アップなどの多くの機構上の利点があり、販売台数を伸ばしています。
現物を目にしたときには、レンズを外しミラーがあれば「一眼レフ」、ミラーがなくセンサーが見えれば「ミラーレス」と考えていただければほぼ間違いないです。
以下の比較写真をご覧ください。(※2020年1月現在 センサーを隠す機能があるためキヤノンEOS Rを除く)


一眼レフのマウント内部:ミラー他複雑な部品が見えます。



ミラーレスのマウント内部:すぐセンサーが見え、シンプルです。



一眼レフでは複雑な部品構成で様々な機能を実現しています。
ミラーレスでは複数の機能をイメージセンサーが担当します。
そのためピント精度、動体へのピント合わせ、暗所画質などカメラの基本性能はイメージセンサーの性能によるところが大きくなっています。
前回、ソニーのシェアが伸びている話をしましたが、ソニーはイメージセンサーメーカーでもあります。自社で基幹部品を押さえているメリットが出ていると言えます。

ミラーレスと一眼レフの使用上の大きな違いは、動体への対応とファインダーの見え方の違いだと思います。最上位機種ではまだ一眼レフの方が動体への対応力は勝っています。
また光そのものを感じる一眼レフのファインダーを好む客層も一定数あります。
一眼レフに取って代わられたライカM型が60年後も熱く支持されているように、今後の一眼レフはそういう一部の愛好家に支持される形式になるのではないでしょうか。


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カメラ専門バイヤーによるカメラ特集記事の第2回目です。
今話題のフルサイズミラーレスカメラや、用語について解説していただきました。

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