対談|第1回/全3回 ファミールカンパニー株式会社 代表取締役 柳本 公則 × 株式会社monobank 田仲 宏歴

対談|第1回/全3回 ファミールカンパニー株式会社 代表取締役 柳本 公則 × 株式会社monobank 田仲 宏歴

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今回取材を行ったのは、静岡県静岡市で古着・洋服・ブランド宅配買取を行っているファミールカンパニーさんです。
この度ネット販売とBtoBの卸業から、BtoC向けの新規店舗をオープンし、事業拡大をされるとの事で取材させていただきました。
中古ブランド品の販売から外国人技能実習生のサポート事業まで、幅広い事業内容を展開されている代表取締役の柳本 公則さんと、株式会社monobank 田仲 宏歴の対談をお届けします。

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第1回|ファミールカンパニー代表取締役柳本公則とは?「きっかけを作れば運を運命に変えられる」

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  1. 二次流通業界に参入したきっかけ

  2. これからのリユース業界について


【二次流通業界に参入したきっかけ】

田仲:幅広く事業を展開されていますが、二次流通業界に参入されたきっかけは何だったんですか?

柳本:初めのきっかけは、僕、水商売をやってたんですよ。その時に片手間で未使用品のブランド品をネットで販売していて。それで自分の物を売るついでに友達の分も販売してて。そしたら口コミで商品が集まるようになって。で、あるときフリマに出店することになって。うちの商品は全部売り終わっちゃったんでボーっとしてしてたら、隣の骨董屋さんのおじさんと仲良くなったんです。で、話しかけに行ったら色々教えてくれて。「こういうのは、沼津ってところの道具市場から仕入れてるんだよ。」とか。で、「そうなんですか、僕も連れてってくださいよ。」みたいなノリで言ったら、「いいよ、じゃあ来週あるからそれ来てくれれば一緒に行こうよ。」ってなって。
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田仲:市場デビューですね。

柳本:そう、そこでその道具市場みたいなところに行ったら、例えばホシザキの製氷機とか釘千個とか、ソファーとかあって。

田仲:うんうん。リサイクル系の市場ですね。

柳本:そう。そういうのが出てきて、競り上がりのオークションだったんですよね。でも出てくる商品に全く興味が無くて、ただ座って見てたら左隣に年上のお姉さんが居たんですけど、そしたらその人が「あんた何も買ってないけど、何しに来たの?」って言われて、「いや僕アパレルとかブランド品とかが欲しくって、正直それが無いんで買うもの無いんですよね。」って話したら「私買付に行ってるよ。」って。「どこに買付に行ってるんですか?」って聞いたら、「いやー、簡単には教えられないね。」って。(笑)

田仲:ははは。(笑)中々、簡単に教えてくない人っていますよね。

柳本:という事で、後日そのお姉さんのお店に行ったんですよ。そしたら「あんた本当に行きたいんだね、じゃあ教えてあげるからまた来月ここに来てくれれば、一緒に車乗っけてってあげるよ。」って言われて。それでオークションデビューしたのが厚木のオークションだったんですよ。

田仲:そうだったんですね。では個人事業主としてスタートして、その一年後に会社を立ち上げたんですか?

柳本:そうですね、でもその前に委託販売のお店を作った時点でもう個人事業主登録はしてたんですけど。

田仲:そうなんですね。じゃああとは商材をどれだけ集めるかっていう段階だったんですね。

柳本:そうですね。それも含めて一年半個人事業主でヤフオクのストアを出店してたんですよね。

田仲:なるほど。フットワークが軽いですね!(笑)


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柳本:そうですね。(笑)最初の骨董の業者さんについて行ったところから始まって、あとは友達の紹介ですね。昔からそうなんですけど、ギャンブルしても何しても僕、わりと運が良いって言われて生きてきたんですよ。でも読む本によれば運も実力のうちって書いてる人もいるじゃないですか。

田仲:そうですよね。確かに運も実力のうち。賛成です。

柳本:だから僕は“運”っていうものを大事にしていて。“運と運命”の話をよくするんですけど。

田仲:客観的に聞いていると、運っていうよりもご縁っていう印象があるんですが。

柳本:そうですね、運の話をするときの例え話で、今ここのお店にフラッとホリエモンが来たとして、ホリエモンと会ったのは運だよね。で、普通の人は「あ、ホリエモン来たよ」って見たり、中には話しかけて握手してくださいって求める人も居る。でもそれってただそこで会っただけの運ですよね。でも、ホリエモンの本を何度も読んだことがあるとか、ホリエモンが好きなポイントを知ってるとか、こっちから提案するだけの知識があるとしたら、「僕、5分で話しますんで堀江さん話聞いてください」ってやりたいプランとかをどんどん話してみる。そしたらホリエモンが「君おもしろいね、その話面白いからもっと聞かせてくれよ」って言うかもしれないし、もしかしたら東京に呼ばれて一緒に食事が出来るかもしれない。そこから新しいビジネスをつくれるかもしれない。かたや、挨拶をしただけ、握手をしただけの人は運を運命に変えられなかった。でも、その実力があったり、きっかけを作れる人は運を運命に変えられる。なので僕の中では運と運命っていう言葉の違いはありますね。
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田仲:なるほど。チャンスを生かせるかどうかっていう事ですね。その為にも日頃から準備が必要と。

柳本:そう。スタッフにしてもそうですけど、こうやって運で出会ってここで働いて、それが出世して、家族を持てたってなると、そこから運命に変わってくる。だから全てに関して、どんなきっかけであれ、運を運命に持っていける人であれば何のビジネスでも伝えられるのではないかな、って。



【これからのリユース業界について】

田仲:では、実際の新店舗を後ほど見せていただくとして、これからのリユース業界についてお聞きしたいのですが、新型コロナウイルスとか出てきて、東京オリンピックも控えている。この先ちょっと不安じゃないですか。経済が不安なのと、今あるリユース大手がどんどんM&A化、または新しい技術を持った新規参入者にどう対抗するべきとお考えですか?

柳本:そうですね。僕、ちょっと楽観視しているんですよ。

田仲:なるほど。先ほどのお話をお聞きしていると、そうじゃないかと思いました。(笑)

柳本:僕が、6~7年前に思ったのが、ブランド業界3~5年で終わんじゃね?って思ったんですよ。それは、その時に海外に発送する分とかがウチも多かったし、他社さんも海外バイヤーも今よりめちゃくちゃ多かった時代で。

田仲:うんうん。


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柳本:こんだけの勢いで日本の物をボンボン買って国外に持ってかれたら物が無くなるだろうと思って。もって5年かな、と思ったら全然市場も増えていくし、絶好調の状態じゃないですか。

田仲:うんうん。

柳本:ってことはリユースって強いんだな、って思ったんです。でも、その中でも潰れていくお店と、派生してどんどん成り上がっていく会社がある。今はかなり淘汰されていて、売り上げを作りづらいとか、他社や競合、外国人が強いなっていうのはみんな肌で感じてると思うんですよ。

田仲:うんうん。

柳本:でも、残るとこは残ってるんですよね。でも、5年後も10年後のリユースって考えれば、その時に合った適正なやり方をすることが出来れば残る。物はそれなりに絶対確保できる。僕も例えばアウトレットに行くと外国人が多くて日本人は少ないんですけど、やっぱり日本人がブランドを手にとっていくんですよね。

田仲:うんうん。

柳本:で、その日本人が買ったものが1~3年後に中古としてリユースに流れてくるわけじゃないですか。って考えたときに、今ってBtoBとかで30年前のヴィトンのモノグラムとか、ボロのスピーディの売買をしてるじゃないですか。

田仲:うんうん。

柳本:それが5年後に消えてなくなるの?っていうと、消えてなくならないと思うんです。35年前のヴィンテージ品となって、もしくはその5年後の2030年には1990年のLouis Vuitton、といった形で付加価値が付くと思うんですよね。でもリユース業界が手に取りだした年代、バッグが作られた年代っていうのはおそらく80年代以降だと思うんですよ。

田仲:確かにそうですね。

柳本:70年代以前のバッグっていうのは、ほとんど出回ってないと思うんですよね。ブランドがあんまり表にそこまで出てこなかった時代で。でも80年代くらいから海外ブランドがどんどんバッグを作って、日本人やアメリカ人がバンバン買いまくった時代のものなので、例えば今から20年後になっても50年後のブランドバッグっていうのは残ってる可能性がある。ってことは、すごい広い年代の商品があって、20年後には50年分の商品を取り扱ってるブランド業者になってる可能性もあるな、っていうのが一つ。あとはやっぱ外国人や中国人があれだけ買って行ってる。富裕層の人達がバンバン日本に買いに来てる。で、10年後20年後って発展していくと中国の富裕層ももうちょっと増えていくだろうし、もうちょっと貧富の差が均等になっていくと思うんですよね。
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田仲:なるほどですね。リユース品を買った人はまたリユース品として市場に流す可能性がありますね。

柳本:そうなった時に、30年前のLouis Vuittonが中国に流れているとしたら、その5年後の35年前の日本のものが中国にいっぱい溢れてる。今爆買いしまくってるものが、10年経てば塵となって消えるわけではないので、その時のものをまた日本に入れてくるってことも可能ですよね。違う形でリユースっていうのは絶対残ると確信しているので、半永久的にやっていけるビジネスなんじゃないかなって、僕は思ってますね。

田仲:なるほど。モノが壊れない限り、2人目のオーナー、3人目のオーナーと続きそうですね。形は変わるかもしれないけれど、リユースは廃れない、続いていくだろうと。

柳本:そうですね。形を変えていける会社しか生き残ることはできないとは思いますけど。

田仲:そうでしょうね。

柳本:はい、なので7~8年くらい前は質屋さんがすごく強くて、そこにリサイクル業者が入ってきて活躍する時代があった。でも質屋さんもこのままではいかん、と思ってどんどんやり方を変えていくところもあれば、なかなか伸ばすことが出来なかったところもある。だからどの業界もそうだと思うんですけど、やり方さえその時に順応していくことが出来れば、と思いますね。

田仲:では特にリユース業界のこれからについては、心配することはないだろうという事ですね。ではリユース業界の皆様に向けて、エールを送るとすれば、先ほどのお話からすると、今日消費された新品がもうその瞬間からリユース品として可能性が出てくる。そんなに心配することないじゃん、またリユース品も再リユース、再々リユースされるので半永久的であり、僕もお話を聞いて、あ、そうだね、って思いました。
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第2回|柳本 公則が考える責任感を持たせる人材育成術(バイヤー・リーダー)へ続く≫
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