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「はじめてのフィルムカメラ」
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?初めてフィルムカメラを購入したユーザーからの驚きの発言
カフェのバリスタ店長
昨今、フィルムカメラが見直されています。
私のよく行くカフェのバリスタ店長(20代女性)も「フィルムカメラが欲しい」との事でご購入いただきました。
その中で、フィルム時代からカメラに携わる人間にとっては非常に興味深く、また理解しがたい感想を得られましたのでご紹介していきたいと思います。
まずカフェのバリスタは、自分の淹れたカフェラテを作品として捉えています。
その作品を撮るためにカメラを持っていることが多いです。また自分の店を撮ったり、仲間の店に行って撮り、インスタグラムへアップするなど日常的にカメラを活用し、また人の写真もよく研究しています。
今回登場する店長も、出会った4年ぐらい前に小型ミラーレスカメラを購入し、その後APS-Cサイズの一眼レフに買い換えるなど写真にはまっていきました。そしてフィルム写真は写ルンですから始まり、ちゃんとしたカメラが欲しいとなったようです。
ひとくちにフィルムカメラと言っても一眼レフ、レンジファインダー、コンパクトいろいろな選択肢があります。まずは「ちゃんとしたカメラで撮ってみたい、写ルンですの代わりにしたい。」ということでしたので、ポケットにも入るくらいフラットなトラベルミニ(富士フイルム)を選び、購入となりました。以前は1000円もしなかったプラスチック製のフィルムカメラが5000円ほどにもなるとは5年前には考えられなかった現象です。
さて、ご購入いただいた後、感想を聞いてみました。
その結果、
1,フィルムの雰囲気がいい
2,フィルムは気楽に撮れる
3,フィルムは高くない
主にこのような感想でした。
1,フィルムの雰囲気がいい
これについてはとくに目新しくなく、フィルムについてよく言われることです。解像感が高くないため、粒子とコントラストが柔らかい風合いをもたらしています。
ところが2と3には驚きました。
どういうこと?と詳しく聞いてみました。
2,フィルムは気楽に撮れる
集合写真を撮る際、デジタルだとその場で確認ができるため、その場に居るみんなが納得できるまで撮影を続けることになるそうです。逆に言うとフィルムはその場で結果がすぐにわからないため、みんなで撮っても一回で済む。だから「フィルムは気楽だ」という感想でした。
私はデジタルになってコストを気にせず気楽にパシャパシャ撮れるようになったと思っていましたが、なるほど、そういう発想はなかったと驚きの発言でした。
3,フィルムは高くない
フィルム全盛期の撮影コストを知っている私は、今のフィルムは高いなあ、と思っています。しかし20代のこの店長は以前のフィルムの価格を知りません。今かかっているフィルムのコストはこんなもの、と思っていて、それが高いという感覚は持っていないようです。彼女は高い安いではなく、多少コストを掛けてでもいい雰囲気を出すフィルムの写真を楽しんでいる、私はそのように感じています。
デジタルになって気楽にシャッターが押せる、フィルムは高くなった、これらは古くから写真業界にいる人間にとっては当たり前の感覚です。昨今のフィルム人気の再燃で新しい世代のユーザーが生まれることにより、新しい感覚が生まれています。自分たちの持っている感覚を新しい世代に押しつけて新しい感覚を潰していないか、改めて考えさせられた出来事としてご紹介させていただきました。
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