「これからの注目はどこへ」
report:斉田悌征
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第一回 「一眼レフ時代からミラーレス新時代へ」≫
第二回 「今話題のフルサイズミラーレスカメラって何?」≫
第三回 「フィルムカメラの復権」≫
第四回 「はじめてのフィルムカメラ」≫
第五回 「オールドレンズ人気上昇中」≫
これまでの連載では、最近カメラ業界で注目されている「ミラーレスカメラ」という新しいカテゴリー、「フィルムカメラとオールドレンズ」という古くて新しいカテゴリーを説明してきました。今回はこれから注目されると思われる分野を紹介いたします。
海外メーカーレンズの出現
カメラに使うレンズは、そのカメラメーカー製のレンズ、ドイツ製、または国内レンズ専業メーカーが思いつきます。しかしここ2~3年、中国、韓国メーカー製のレンズが力を付けてきています。
カメラ・レンズ価格の高騰
カメラの高画素化に合わせてレンズもどんどん高性能、高機能を追求しています。
もちろんボディとレンズの組み合わせで使うものですから、高性能を求めるにはお互いの性能の向上が欠かせません。そうして価格が上昇してきました。
また、スマートフォンカメラの高性能化によりカメラ市場が縮小し、販売台数が落ち込んでいます。販売台数の落ち込みを補うためにもメーカーはフルサイズカメラをはじめとする高付加価値路線に力を入れ、安価なラインナップには手薄さを感じます。
インスタグラムをはじめとしたSNSの発展により、写真を楽しむ人口が増えていますが、もっと写真を楽しみたいとスマホからカメラに持ち替え、さらにレンズを、と考えたときにはその価格に驚くことでしょう。気楽に楽しみたい方にとって、高画質志向のラインナップは高いハードルとなっています。
コストパフォーマンスに優れたレンズ群
世の中にはカジュアルなユーザーも多く、すべての人が高性能を必要としてはいない、と私は思っています。そんなところに中国、韓国メーカーのレンズが出現してきました。決して超高性能ではありませんが、コストパフォーマンスに優れた製品をどんどん発売しています。輸入代理店の販売サイトを見ると、フルサイズ対応であっても2万円台から揃っています(※1)。
(※1)(参考サイト:焦点工房 http://www.stkb.jp/ )
現代的な写りのレンズ、オールドレンズ的描写のレンズなど、いろいろな傾向のレンズがあり、高性能一辺倒でないところがまたレンズ選びの楽しさを盛り上げてくれます。中には国産でもほとんど見ない50mmF0.95という弩弓のスペックを10万円以下という「激安価格」で実現したものもあります(※2)(ちなみにニコンでは100万円以上)。
(※2)
現在のところオートフォーカス対応が少ないなど、使いこなすには技術が必要なところもありますが、今後技術開発が進み純正品と遜色なく使いやすくなってくる可能性は十分にあります。これらの動向には目が離せません。
メーカーとスペックに注意
F1.2、F0.95というレンズを見たとき、「高級(高額)レンズだ!」と思ってしまいます。今まではそういった高スペックのレンズを作るメーカーは非常に限られていました。しかしながら、先に述べたように低価格でありながら高スペックのレンズも登場してきています。スペックだけで判断、問い合わせをすると間違いが起きかねません。今一度メーカーと基本スペックの確認をお願いします。
これまで6回の連載をしましたが、今回で終了となります。カメラ業界の流れを中心に書いてみましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。少しでも皆様のご商売のお役に立てましたら幸いです。
※1 中一光学 CREATOR 35mm F2.jpg
http://www.stkb.jp/shopdetail/000000000996/lens_sony/page1/recommend/
※2 中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 III?
http://www.stkb.jp/shopdetail/000000001269/lens_sony/page1/recommend/
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いろどりカメラ|斉田 悌征
フォトギャラリー
https://www.ysaidaphotography.com/
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