monobank column|株式会社MEDAKA嶋田 孟師 「金券の取り扱いに関して」

monobank column|株式会社MEDAKA嶋田 孟師 「金券の取り扱いに関して」

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「金券の取り扱いに関して」

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2020年8月4日

株式会社MEDAKA
嶋田 孟師?
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今回は、二次流通業界において様々な商品ジャンルが存在する中、「金券」という商材の取扱についてご紹介をさせていただきます。

まず結論から申し上げますと、金券は絶対に「やった方がいい!」と言える商材です。
相場の変動というのがほとんど無い為、固定利益が継続して得られ易いという事からです。比較的損をするリスクが少なく、宝石や時計のように専門的な鑑定力がなくとも買取を行うことが出来る商材です。それからもうひとつの理由としては、顧客接点をつくるきっかけになる事もあげられます。

コロナ禍で経済が鈍い中、「金券も厳しいんじゃないの?キャッシュレスやインターネット販売の中、時代に逆行しているんじゃないの?」と思われがちですが、それは二次流通で取り扱う商品全てに言えることです。それよりも、日本人で買取を体験した事があるのは全体的の3割程度にとどまっているという実情で、どうやってリスクを伴うことなく潜在顧客を買取体験に導くのか。現在販売をしていない質屋さんでも、まずは金券だけでも販売をしてみることで顧客接点につながるのではないでしょうか。

それでは、金券を扱う事での利点はたくさんありますが、事前に知っておいた方が良い事や注意点もありますのでご紹介させていただきます。




基本的な考え方

1.汎用性の高さ(使える機会や場所・店の多さ)
2.有効期限、使用期限の有無

以上の2点に分け、それに準じて掛率・相場が分かれていると考えます。



金券の種類と注意点

それでは主な金券の種類を簡単にご紹介します。


信販系(クレジット系)
VISA・JCBギフトカードなど
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信販系の金券は使用出来る場所が多いので需要も高く、一番取り扱う件数が多いです。相場の変動もほとんどなく、安定した利益が得やすいと言えます。掛率の目安は買取で93% くらいです。
注意点としては「偽物」が流通しているという点です。とくに首都圏や関東に多く、それが地方に流れてくる事もあります。かなり精巧に出来ている物もあるので注意が必要です。偽物に関しての情報は発行元のホームページで情報開示されているので、確認ができます。
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中国の方から流入していると思われ、新型コロナウイルスの影響で入国が減っているため現在は減少してきていると予想します。
また、裏面に「退職記念」等の記載があるものが存在します。こちらは企業(主に東芝など)が職員の退職記念や退職金の一部として発行しているものです。商品券の管理番号などから退職した本人、またはその家族しか使えないなどの説が出回っていましたが、買取自体は可能です。しかし掛け率は通常93%程度のところ80%ほどに下がってしまいます。?


※旧いちばから 2019年10月 道具市9月9日レポートにて説明動画があります。
 





有効期限が無いものが多いですが、中には設定されているものも存在するためチェックが必要です。



旅行系
JTB・ツーリスト・ギフト旅行券
ANA・JAL旅行券
など
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旅行券に関しては、コロナ禍において旅行に出かける人が少なくなったため、需要と供給のバランスが不安定となっています。使い道が限定されるため、買取の掛率 に関してはシビアに見た方が良いでしょう。しかしJTB・ツーリスト・ギフト旅行券のような有効期限が無いものに関しては買い取っておいても損は無いと言えます。 ANA・JAL旅行券に関しては有効期限があるので、チェックが必要です。




百貨店系(ショッピング系)
全国百貨店共通商品券
百貨店ギフトカード
など
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 百貨店系の金券も、旅行券同様使い道が限定されていますので、買取の掛率 に関してはシビアに見た方が良いでしょう。百貨店ギフトカード・全国百貨店共通商品券に関しては有効期限はありませんが、その他は確認が必要です。


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その他
ビール券?
図書カードNEXT
切手
クオカード
Amazon・iTunes・LINEギフトカード
株主優待券
など

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これらの金券類については、ビール券の買取がおすすめです。理由としては、利益が得やすいため ?です。しかし、有効期限が設定されているので買取の際には確認が必要です。
ビール券に関しては少し特殊で、額面と実際に購入できる金額が異なります。ビール券で購入できるものはビールだけでなく、酒販店であれば他の物でも購入できます。お釣りを支払うこともでき、お釣りについては店舗ごとの判断に任せると発行元の組合が取り決めています。そんなビール券ですが関東都心部と地方で買取価格の相場に開きがあるため地方であれば利益がとりやすい傾向にあります。

切手に関しては、先日の質屋学校で説明があった通りです。補足として金券は非課税対象ですが、切手のみ課税対象であるという事に注意する必要があります。




図書カードNEXT・Amazon・iTunes等のギフトカードはシリアルナンバーの管理が重要です。図書カードNEXTに関しては、シリアルナンバーのスクラッチ部を削らないと残高が確認できません。 また、Amazon・iTunes等のギフトカードに関しては、これらはチャージする使い方なのでシリアルナンバーが出てしまった状態で買い取ると、カードが手元になくてもナンバーを控えておけば使用する(チャージ)事が出来るため、トラブル ?になりかねません。そのため弊社では買取をお断りしています。
クオカードに関しては、これまでは中国人が日本で買い物をする際の需要が多かったのですが、新型コロナウイルスの影響で中国人の入国が減ったため、クオカードの需要が下がりそれに伴って掛率が3~4%ほど下がっています ので要注意です。
JAL・ANA・新幹線等の株主優待券も同様、需要が減っているため掛率が下がっています。?
 税金に関して、切手は課税の対象となりますが、商品券は非課税 となります。




金券の売却方法に関して

次に、金券の売却先の選定方法についてお話しします。売却先の業者はインターネットで「商品券」などと検索をするとたくさんヒットしますので、その中から条件に合ったところを選定していくと良いでしょう。掛率はもちろんですが、私(筆者)の個人的な最大の重要ポイントとしては「入金が早いかどうか」という点に着目しています。入金のタイミングは業者によって異なるため、中にはこちらから問い合わせをしないと入金がされない業者もあります。

金券の種類によって売却する業者を分けるというやり方もあると思いますが、弊社では1社にまとめて売却しています。理由は、掛率が高い所は概ねどの金券でも高いという事と、入金の遅れが無く信頼できるからです。業者によっては入金が遅れたり、送った枚数と異なるなどのトラブルになる事もありますので、安定した取引が出来る業者を選定する事が重要です。
また、最近は少なくなってきましたが業者間取引を行ってくれるところも存在します。業者間取引とまではいかずとも「多量の場合はお電話ください」等の記載がある場合は優遇してくれる場合もありますので、相談してみるもの良いと思います。



このように、金券には他にも様々な種類がありますが、今回は代表的なものをご紹介させていただきました。金券類はインターネットでは使用出来ないものも多く、コロナ禍によりオンラインで買い物をする消費者が増加したため現在は需要と供給のバランスが不安定な状況です。店舗での買取件数はそれほど減っていませんが、売り上げ件数は減少しています。しかし、ざっと計算してみると月に500万円ほど買い取る事が出来れば15万円ほどの利益をあげる事が出来ます。また、相場に関して言えば、「金券の1~2%の差=金で言う500円くらいの差」と思っていただけると相場の変動率が分かりやすいかと思います。

はじめにお話ししたように、金券は損をする事があまりない事や相場の変動があまりない為固定の利益が継続して得られる事、宝石や時計のような専門的な鑑定力がなくとも誰でも買い取ることが出来る事、何より顧客接点をつくるきっかけになる事、買取を体験した事がない人が初めて買取体験をするきっかけを作りやすいなど、たくさんの利点がある商材です。また、在庫を抱えても現金化できるため、副業や新たな商材としての導入もおすすめです。
 コロナ禍でリユース業界も厳しい状況が続いています。現状を打破するため新しい施策を検討中の皆様、少しでもお役に立てましたら幸いです。トライ&エラーの精神で乗り切りましょう!

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今回は、株式会社MEDAKAの嶋田 孟師様のコラムです。金券を扱う際の利点や注意点などをご紹介していただきました。

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