偽造品レポート 『エルメス ベアンスフレ風 財布』
こちらは2019年11月29日バッグ大会に出品されていた商品です。
次の三つの商品のうち、基準外の商品はどれだと思いますか?
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チェックポイント 1
まず最初にベルトの繋ぎ部分を見ていきます。
②と③を比較してみました。
②は繋ぎ部分も縫い目が粗い箇所もなく、綺麗です。
③は縫い目が粗く、ベルトが取れないか不安になりました。
エルメスは独自の縫法で職人によって長い時間をかけて制作される為、ホツレたりすることは絶対になく、こういった縫製の甘い箇所が出でくるのは基準外と言える一つの根拠になります。
よってこの時点で③は十分怪しいと思われます。
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チェックポイント2
次にロゴを見ていきたいと思います。
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②はくっきりとした文字で綺麗に刻印されています。
③はまず本物とは字体が違うように見えます。また、塗料のはみ出しがあり字の大きさもバラバラに見えます。
基準外はロゴの印鑑の作りが悪い為、こういった字体になるようです。
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チェックポイント3
次に金具部分を見ていきたいと思います。
②と③を比較したところ、③は金具部分も均等でなく角が尖っているように感じました。
一流ブランドは面取りしているのに対し、基準外のものは面取りされていないので、手で触ると痛いです。
正規品は面取りされているため触ると角が滑らかです。
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使う人の事を考慮して作られた正規品と正規品に似せる事だけを考えて作った基準外の製品の違いがここに表れているように感じました。
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チェックポイント4
次にファスナーの「H」の部分を見ていきましょう。
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①②に比べ、③はHの文字が潰れていて作りが雑なように感じました。
コピー品は大量生産の為、細かい作りに差が出やすい傾向にあるようです。
また①と③の縫い目を比較したところ、③は縫い目が均等であるのに対し、①は
縫い目が均等でないように見えます。
最初にもありましたが、エルメスは職人が一品一品手縫で作る為縫い目に均等性は保てないそうです。
細かい部分と縫い目も基準外と正規品を判断する大きな決め手になるようです。
※よって、基準外の商品は③です。
今回レポートを作成してみて、ブランド品の偽造品が作られるうえで優れた職人技は簡単には盗めないことがわかりました。
ブランドの正統性を高めるうえで、伝統的な職人技や手仕事、使う人への気遣いがされているかといった点に重点を置くことは、非常に効果的な方法であることがわかりました。
動画でも同様の偽造品を別の角度から説明していますので、ぜひご覧ください。
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