Report:monobank 菊田
新年あけましておめでとうございます。
質・買取事業部の菊田です。
今年は新元号になり、9月には消費税が10%になるなど、激動の一年間でした。
いつもと同じように正月を迎えても、全く同じ1年ではないことを痛感する日々。
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この一年を通して感じたことは「要・不要が明確に表れる」ということでした。
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欲しい物は欲しい、要らない物は本当に要らない。
今までは当たり前すぎて、そんなことを深く考えなかったのかもしれません。
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例えば、どこのオークションにも出品されている様な商品はどこでも買えるのでそんなに頑張らない。
むしろ抑えての購入が望ましい。
しかし、欲しい商品に関してはどこまでいくか見当が付かない金額まで競り上がる。
その見極めが重要だと。
おおまかに分類すると、
・国内小売り(店頭や催事)の方は新作モデルやハイセンスなデザインや状態が良い物
・海外小売り(ネット等)は筋がある程度決まっているものの、流行の移り変わりが早い
思いもつかない物が高値になるが、次のオークションではもう相場が変わっているという事も多々あります。
製造、発売はひと昔前の分かりやすいアイテムで、状態の良い物が特に高値です。
エルメスのフールトゥやフェンディのマンマ、MCMやセリーヌのマカダムなどがあげられます。
現在ハイブランドでは、ヴィンテージのデザインを少しだけアレンジして再度打ち出したりしています。(グッチのオフディアシリーズやディオールのサドルバッグ、フェンディのズッカシリーズ、セリーヌも同様)
トレンドは繰り返すというのは本当です。
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話は戻って、いつどこの市場でもあるものについてお話します。
例えば皆さまが全国のオークションに出入りしているバイヤーだったとします。
勿論、予算も組んでノルマがある状況だとしても、よく見る商品は思いっきりの金額では買わないでしょう。無理してまでもいらないですよね。
理由は明日や明後日のオークションにもきっと出品されているだろうから。
いつもあるか、ないか。そういった事は商品によって見極めが必要だと思います。
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例えばコーチのバッグ。
コーチの中古はどこにでも溢れていて、中古になった途端にものすごく安くなる印象です。
余談ですが、コーチのアウトレットは表示価格より何%OFFというのが通常ですが、設定金額を超えるとさらに値引きしてくれます。
定価はあってないようなもの、という事を感じました。
セカンドブランド(マイケルコースやケイトスペードなどの、ハイブランドよりも定価がお手頃で、比較的一般の方が入手しやすい金額設定のブランド)においては流通量も多く、市場の回遊商品というイメージが否めません。
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尚、ヴィトンにおいてはブランドのネームバリューや、一目見てLVと分かる強みから、状態が悪くても金額はある程度安定しているように感じます。
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エルメス バーキン編
これまで同様、30cmの人気は据え置きだと思いますが、以前は持つ人が限られていたビッグサイズの金額の動向が気になりました。
ビッグサイズ=需要少ない=金額があがらない
という観点があったからです。
例)バーキン40/黒/Aランク/刻印古め
とします。(あくまでも綺麗な状態です)
金額は、いって80万円くらいかな?だって大きいし、好み分かれるよね、という感じ。
ですが以前のmonobankオークションでは同上のものが990,000円で落札されております。
(N刻印のシルバー金具のトゴ)
・考えられること=ビッグサイズは日本人の身長には合わせにくいものですが、海外の人だったら?
・販売(小売りに力を入れていて都心や海外に販売店を展開、そして海外ネット販売もしていのだとしたら)=販売力がある=売れるのでは?
このように、固定概念は今となっては邪魔なものでしかないのかもしれません。
?シャネル編
チェーンショルダーバッグは健在。バックパックや新作モデルなども随時人気です。
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シャネルはデザインとカラーリングが肝なようです。
あくまで個人の見解ですが、淡いカラーや奇抜なデザイン(ガールシャネル)などは弱い傾向にあるようです。
昔からある定番商品でも、見たことがないようなカラーでしたら価値があがります。
(強いていえばイエロー、ヴィヴィッド系ピンク、赤系、ターコイズブルーやグリーンなど)
同じようなヴィンテージのショルダーバッグにも
・フラップのデザイン(シングルかダブルか)
・サイズ
・金具の相違(色やデザインそのもの)
によって大きく金額が変わります。
※下記の解説にて触れておりますのでご覧くださいませ。
2019年の振り返り
2019年のmonobankオークションでの一番の出来事は、何といっても6月、7月二度に渡ってご出品頂いたヴィトンのトランクやレア品のシリーズ。
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上は搬入後の写真ですが、こちらはまだまだごく一部です。ズラリと並んだ様はまさに圧巻でした。
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その中の商品の一部を抜粋してお届けします。
?時計を保管する為だけのケース、帽子だけ、ジュエリーだけ、お酒だけ・・・・と様々なシリーズが勢ぞろいでした。
一番大きなマル・オー。
正直、このアイテムたちに関しては一番問合せも多く、特に初回の開催月の緊張感たるや!尋常ではありませんでした。
※こちらの商品についての商品詳細、落札金額はmonobankオークション相場検索monographに掲載されております。是非ご覧くださいませ。
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2020年の展望
わたくし個人としては、上記に触れた要・不要の二極化がさらに進むのではないかと思っております。
今まで「これくらいの金額はあっただろう」という想定の金額は通用しなくなるのではないか、という状況がさらに加速していくように思います。
宝石の地金金額のように、最低ラインの価格というものがバッグには無いのも一因です。
対して珍品、レア物、バイヤーが特に入手したいものに関しては金額の伸びが尋常ではないという二極化です。
正直、この良し悪しが分からないと苦しい戦いになるといったところでしょうか・・・・。
今は数々のオークションや会費を払えばネットでも商品の落札金額が分かるような時代です。
一般の方もフリマアプリや買取りアプリなどを駆使して売買を行っている層も増加しています。
言わば「セミプロ」というか、それで生計を立てている人もたくさんいるでしょう。
なぜならば情報は山のように溢れているからです。
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しかし実際にオークションに参加していると、商品に対しての熱量が直に感じられますし、バイヤーの気概にも直に触れることが多々あります。
データや字面では判断出来ないような情報も、ここでは書ききれない程たくさんあります。
出来るだけそれを肌で感じ、吸収し、察知する事を肝に銘じて2019年の締めくくりとさせて頂きます。
そして来る年の貴社の繁栄と皆様のご多幸を心よりお祈りいたします。
来年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
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